ピロリーナの「今日もくじら日和」

食害魚のアイゴを活用

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みなさん、アイゴ、という魚をご存知ですか?長崎では『バリ』とも呼ばれるこの魚は、藻場(2年前に体験した藻場作りのブログはこちら

を食べ尽くす食害魚として、漁師の皆さんからは嫌われてました。もともとは海水が高い温度に生息しているのですが、近年海の温度が上がっているため

大量に繁殖していて困ってるそうなんです。じゃーお魚として食べればいいじゃん、と言ってもそのままだと臭みがあって

鮮度が落ちると食べられず、一般の食用としては流通してませんでした。

でもそのアイゴを、食用として商品化しようと孤軍奮闘した方が、マリン・アクティブの西崎さん。

嫌われ者に価値を見出し商品化するというのは、並大抵のことじゃなかったと思います。

でも、本来は嫌われる者じゃない、きちんと処理すれば、美味しいお魚だということが、わかりました。

3月23日 魚のまち長崎応援女子会メンバーで、ホテルシーサイド島原にて行われたアイゴの試食会です。

10種類の和洋中に飛んだアイゴのフルコース。淡白な白身魚ですがフグやタイにも似た質感で

身がきゅっと締まっていて美味しい。臭みがあったとは思えません。

また、アイゴの皮の酢味噌和え(山椒風味)も美味しかった。

荒木総料理長の腕でしょうが、絶妙な歯ごたえに仕上がっていて、白身と異なった味は

酒飲みにはたまらないでしょう。(わたしの事ですが)

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アイゴのムニエル、アマンド風味。白ワインが飲みたくなりました。

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アイゴの煮付け。タケノコの後ろに隠れてますが、フグやアンコウみたいに骨離れがいい魚なので、

煮付けや、鍋物にも最適だそう。ほろほろっと崩れました。

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煮ても焼いても美味しい万能な魚でしたが

わたしが一番気に入ったのは、アイゴのヅケ丼。

シンプルながらも、みりんとしょうゆ、ゴマ油につけたアイゴの甘味が引き立ちました。

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他にも、アイゴの唐揚げ、アイゴの燻製などなど、美味しくいただきました。

 

以前までは見向きもされなかったこの”アイゴ”というお魚。

現在は既に東京にも進出が決まっているそう。

西崎さんの熱い想いのお話を伺うと、皆に必要とされて脚光を浴びていくアイゴのストーリーが目に浮かぶようでした。

しかし、鮮魚以外の活用、水産加工品へ化けての付加価値、消費者にどのようにPRしていくか、具体的展開も

期待したいところです。

 

about: pirolina
くじら料理研究・くじらの美味しい食べ方を提案。実家は長崎の日野商店。明治41年創業。幼い頃から鯨肉工場の匂いが苦手だったが、鯨屋の世界に入り、くじらの扱い方で美味しさが変わることを知る。二児の母。
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pirolinaの『喜び働く大人の背中はワンダーランド』『鯨食系女子』を含む、クジラソング3曲入りの計10曲。iTunes/楽天市場/amazon/タワーレコード/HMV等全国CDショップ、ネットショップ等
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