地元の食文化を人で繋げる
先日イタリアへ行って来ました。
フィレンツェの中央市場に行って食材のお土産を物色していたのですが、そこで買ったのはトリュフソースと乾燥させたポルチーニ茸と塩とチーズ。考えてみれば、ポルチーニ茸以外は全て試食させてもらったのでそれが決め手だったのですが、ポルチーニ茸は使い方が分らず店員さんに何度も聞きました。そして帰ってから役立ったのは、その時もらったレシピ。結果とても美味しい料理ができ大満足。ぱっと手に取ったときは、水に戻したり何の具と合わせるのが美味しいかわからないし、なんだか面倒だなぁ・・・って思って躊躇してたのですが、買ってよかったなぁ、って思いました。
で、帰りはパリの空港免税店で手に取ったトリュフの瓶。塊が少しだけ入ってたかーい。値段が高いから使い方に失敗したくない、どう食べればいいかわからない、と思ってすぐ戻しました。トリュフがソースになって、クラッカーにつけて食べる瓶詰めは中央市場で買ったしね。あれは美味しかったし、塗るだけだったし、と。
そしてハッ!と気づいたのです。
鯨肉だって、同じだなぁ・・・って。
鯨の塊がボンッて売っていても、なんだか切るのが硬そう、難しそう、高いから失敗したくないし、とか。
そもそも、調理が必要そうなものは、味がイメージできないし、どう調理すればいいかわからない、という不安。
値段が高いというのもあるけど、それ以外の部分でのハードルの高さって大きいなと、イタリアの食文化を肌で感じて思ったのです。
鯨を食べたことが無い人、触ったことが無い人に取ってみれば。
(今まで分っていても、直面するのはやっぱり雲泥の差です。)
しかも、トリュフのちょこっと入ってるやつなんて、旨いレストランで食べたい。フランス料理できちんと料理してくれるところで、食べたい。
鯨だって、最高の食材で最高の料理人が作った料理を食べたい、と思うはずです。
それを自分でちょっくら作ってやってみよう、という人は、料理が趣味の人の範囲だなぁ、と思うわけです。
しかし、自分がイタリアで対面したハードルの高さは、そのお店の日本人の女性店員さんによって崩れました。
かなり丁寧に接客してもらって説明してもらったんです。
しかも押し付けがましくなく、同じ目線で、ごく自然に自分の体験談を添えて。
だから、いろいろ他のお店を見てまわった後も、あのお姉さんのお店に行こう、と戻ってそこでいろいろ買い込みました。
久々に良い買い物と接客をされたなぁ、という良い体験でした。
やはり繋げていくのは、人の力です。