ピロリーナの「今日もくじら日和」

願いを込めて

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「炊きあがりましたよ」

工場からの電話一本を受けて、わたしは商品となる素材を見に行く。

出来上がったのは、南極海のミンク鯨の舌。さえずりだ。

南極海の調査捕鯨が中止となり、そこで捕獲されたミンク鯨、ナガス鯨は一番希少価値が高い原料だ。

1年でいちばん12月が、お歳暮、年末年始用と、くじら屋は大忙しとなる。

それに向けて工場もただいまフル活動だ。

工場内に足を踏み入れ電話の主に声をかけると

「胃が痛いっす」

と言われる。

「どしたの?」

「計画通り生産に追いついてなくて」

と苦笑いして、手を休めることなく作業を続ける。

 

うちは、お客様に合わせた、商品作りをしている。

原料となる鯨が1頭1頭異なるように、地域や、使い方やお客様の好みによって

それらは微妙に変わるのだ。

また工業製品のように統一はできない。

スーパーマーケット用の商品ももちろんたくさん作ってはいるが

そこでは売ってないものは、卸先である長崎市内の魚屋さんに行けば手に入るし、

「くじらあります」暖簾の長崎市内の居酒屋で食べられ、

また直接では、お取り寄せで通販サイト、くじら日和本店にてお届けしている。

ああ、鯨も天然じゃなくて養殖で全部状態をコントロールして育てて手に入れれば

まったく違う生産と販売と文化になるだろうに。

 

でも違うのだ。

大海原の恵み、強い生命力を持った鯨は、エサも摂らず半年の間、子育てしながらも

不眠不休で泳ぐのだ。

 

その類をみない自然の力強さの恩恵を私たちは受けている。

だから長崎県民はお正月に食べるのだ。

「大きな鯨を食べ、その1年を健康に無事に過ごしたい」

という願いを込めて。

 

みなさんが良い年を迎えられるように、美味しいくじら、今日も明日も作ります。

 

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