お互い様の梅の実
今年は梅酒の他、頂いた平戸の梅で梅シロップと梅のはちみつ漬けを作った。
五島市に住んで、少し田舎っぽいことをしてみようという試みだ。
梅シロップは1週間ほどで美味しそうな汁気が出てきた。
これをはて、長持ちさせるには・・・とググッたら過熱するのが良いと書いてある。
「余ってる氷砂糖はどうすればいいかな~」と夫に聞いたら「一緒に鍋に入れればいいよ」と言うので、シロップを鍋に入れ火にかけ、瓶に余っていた氷砂糖も移す。
しばらくすると煮えたきってグツグツ。あれれ、なんか粘り気が・・・と思ったらドロドロになってしまった。
え、これって最早もうシロップではないのではないか。
と不安に思って、ねばねばとした物体をコップに入れて水を入れると、みるみるうちに水あめに!
失敗である。
わたしは激しくショックを受け寝室に閉じこもった。だって、この梅の実はスーパーで売ってる梅ではない。頂いた梅だったからだ。10年前の青春を思い出す梅だったからだ。
しばらくして台所へ行くと、夫が余った梅の実を甘露煮にして、シロップを工夫して飲めるようにしていた。
「やろうとしたことは、最後までやらないと」と夫がおどけて言う。
いつもそうだ。わたしは途中でわざと見せつけるように投げ出す表現をする。
そしてそれを夫が見かねて解決する。または面倒をみてくれる。
そのパフォーマンスをしてしまうのは、わたしの甘えだ。
でもその甘えを受け止めてくれるからこそ、わたしは日頃、出しっぱなしの夫のものを片づけたり、見えない家事や育児ができるのだ。